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【レポート】SDGsで地方創生ワークショップ(令和2年度第1回猪っと聞こう会)【令和2年12月18日開催】

更新日:2021年1月13日




令和2年12月18日(金)18時30分より、元福岡市職員で現在は株式会社YOUIの梶原慶子さんをお招きして、SDGsと地方創生についてカードゲームを使用しながら楽しく学ぶことのできる講座を開催しました。


長崎市内で新型コロナウイルスの感染者が増加傾向ということもあり、キャンセルが相次ぎましたが、約15名の参加があり対策を徹底して開催しました。


冒頭、人数も少なかったので参加者全員の自己紹介の時間を取りました。初めて猪研の活動に参加してくださる方も多く、熱意ある方ばかりでした!長崎市を代表する大手民間企業の方も来られました。



SDGsとは?


SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)」に示された、2016年から2030年までの国際目標です。

ゲームを行う前に、梶原さんよりSDGsについての概要説明がありました。



  • 2030年からバックキャスティングして社会課題を世界的に共有する

  • 課題解決のための手法は各国で自由

  • 日本では2016年にSDGs推進本部が設置された

  • SDGsの三つの柱のひとつに「SDGsを柱とした地方創生」が位置付け

  • 人が仕事を呼び込み、仕事が人を呼び込む、そんな街を作っていくことの必要性

  • 経済、社会、環境、の三つが好循環を生み出しているかを常にチェックする

  • SDGs未来都市として長崎県では2018年に唯一壱岐市が認定されている

ことなどについてお話がありました。地方創生も重要な位置づけだったことを知りました。そして、県内では壱岐市が進んでいるんですね!



「SDGs de 地方創生カードゲーム」にチャレンジ!


続いて、本日のメインイベント「SDGs de 地方創生カードゲーム」。このゲームは、SDGsの考え方を地域の活性化に活かし、地方創生を実現する方法について参加者全員で対話し、考えるためのゲームです。

前回実施した「2030SDGs」は世界を舞台として抽象的な課題・事業が中心だったのに対し、こちらは日本の地方都市を舞台に、具体的な課題・事業が設定されているのが特徴です。



ゲームは2030SGDsとよく似ており、参加者に4種のカードが配られます。役職カードには、各人の役職が書かれており、行政と市民で複数種類があり、それぞれの達成条件が記されています。プロジェクトカードには、実施するために必要な資金・人資源、予測される収益等が記されています。そのほか、資金カードと人的資源カードが配布されます。

参加者は自分の役職の目標達成を目指し、様々なプロジェクトを実施します。参加間での情報交換やカードの交換は自由!情報やカードを交換してプロジェクトが実施可能になれば、所定の事務局ブースへ行き、カードと交換に収益や新しいカードが与えれられます。プロジェクトによりホワイトボードの人口・経済・環境・暮らしのメーターが変化します。これがゲーム内の地方都市内の状況を示しているという訳です。


ゲームについて詳しくはこちらのページをご覧ください。


私の役職は「産業系の行政職員」だったので、「ゲーム終了時に経済メーターが8以上」が達成条件だったので、様々な経済活性化策を行わないといけません。しかしながら、巨額が必要なプロジェクトカードばかりが配布されてしまったので、最初はなかなか積極的に活動ができませんでした。


仕方がないので、参加者に積極的に呼びかけて資金を集めを行い、市民ホール建設やリゾート開発などの大型事業を推進しました。どこかの市に似ていますね。


周りの参加者からは「独裁者!」と罵られながらも、順調に経済メーターを上げていきました。プロジェクト遂行により資金も潤沢になり、さらなる経済活性化を目論んで市民から資金を集めまくって「大型ショッピングセンター」を建設したところ、経済メーターが一気に下がってしまい、一同から怒り買ってしまいました。大型ショッピングセンターは「●オン」だったのか!やられた!寂れた商店街が目に浮かびました。ごめんなさい失策でした。



驚いたことに、ゲームが進行してくると人口メーターがプロジェクトに関係なく減らされていきます。これで「人口メータ●以上」のプロジェクトが遂行できなくなり、段々と手詰まり感が漂います。これが人口減少が著しい地方の状況によく似ていて怖い!!


あらかじめ設定されていた15分✕4タームが終了し、目的が達成できた参加者はなんとゼロ!大丈夫か長崎市!!私も大型ショッピングセンター開発が祟り、経済メーターが1足りませんでした。●オンめ!!

しかし、目標達成はできなかったものの何故か手元には凄まじい資金が残り、周りの参加者から「独裁者」「金ズル」と再びいわれのない非難を浴びました。



SDGsの本質を理解する振り返りの時間


ゲーム終了後に、梶原さんから振り返りのお話がありました。

  • 南三陸の牡蠣養殖の話題(牡蠣の過剰採取による海の環境悪化・採取量減少の悪循環から、経済・環境が共存できる好循環に変換できた話題)

  • 二つの「桶」の話題「風が吹けば桶屋が儲かる」と「ドベネックの桶」

  • 「環境、社会、経済」の流れと、「まち、ひと、しごと」の流れの関係

  • SDGsの本質のひとつが「指標化」

  • 行政と民間の対話が生まれることが重要

  • 「システム思考」という考え方

  • 傍観者思考から、課題解決思考へ、そしてシステム思考へステップアップ

ゲームで熱くなっていた頭に、クールなSDGsのお話が効きます。



参加いただいた皆さんありがとうございました!



やってみて


前回の「SDGs2030」でも感じましたが、ついつい自分の目標達成のためにプロジェクトを遂行することに熱くなってしまい、「誰ひとり取り残さない」という観点を忘れがちです。仕事でも同じかも知れませんが、自分の担当する事業や取組みが社会にどんな影響を及ぼすかを多面的によくイメージすることが重要だなと気付かされました。あと、自分の知らない世界・分野にも関心を持たないといけないなと。


それにしてもよくできたカードゲームでした!さすが練に練って開発されただけあります。人口減少で人口メータが減らされたときの絶望と、経済対策と思った大型ショッピングセンター開発で減らされた経済メータの衝撃は忘れません。域内経済循環を!


さて、梶原さんとは昨年度から仲良くなり、今回で3回目のイベントでした。後日、他の自治体から問い合わせがあり、庁内研修で梶原さんをお招きしてこのゲームを実施したいとのご相談がありました。実はこの日も、せっかくの来崎ということで東彼杵町でも同様の講座を行っていたとのことでした。猪研の活動が契機になって、SDGsの考え方や梶原さんのありがたいお話が長崎県内に広がっていくことがとても嬉しいですね。



ちなみに、講座の翌日には梶原さんと一緒に彦山に登りました。長崎で一番おすすめの絶景です。そして梶原さんは山ガールでもあるのです!彦山行く前に早朝で風頭にも登ったそうです。元気過ぎます!

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